カラヤンのベートーヴェン交響曲全集~感激と疑問

2018年03月20日 13:51



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1960年代にグラモフォンから出たカラヤンの最初の交響曲全集で、
CDが付属していないブルーレイだけの版である。

この演奏は学生時代、小遣いを貯めて月に1枚がやっとのペースでLPのバラ売りを買い揃えたものだ。
何処でノイズが出るかまで記憶していた。
本当にレコード盤が摩りきれる程何回も何回も聴いた。
70年代、80年代のベルリンフィルとの全集とは違う、重厚という言葉がピッタリする演奏であり、音だった。


そのLPの音が半世紀経って、そのままに出た来たのに驚いた。
普通「デジタル化」するとマスタリングで音が全く違ってしまう事が多い。
マスタリングエンジニアが替われば、音のバランスが変わるだろうし、
聴く側の媒体も装置もすっかり変わっている。にも拘らずだ。
グラモフォンという会社の一貫性に敬服した。



この版はCDも「96k/24bitマスタリング」とされている。
ところがOPPOudp205の光デジタルアウトのサンプリング周波数は48kHzでしかなかった。
同じ条件でシベリウスの交響曲全集のブルーレイはちゃんと96kHzが出るので間違いは無い。

96kHzはマスタリングだけ。48kHz/2chのブルーレイオーディオとは。
(訂正、アナログ出力は96kHz/24bitだった)
バーンスタイン/ウィーンフィルの全集の192kHz/5.0サラウンドに比べて余りにも寂しいスペックだ。




ヒューイットで聴くファツィオリ

2018年03月19日 14:57



ヒューイットが弾くファツィオリに付いては、
Blu-ray SACD サラウンド沼どっぷり その5 ファツィオリ萌え で書いた事がある。


激しい打鍵をする人のようだが、SACDで聴いてみた。

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中音、低音は響きの長いファツィオリ独特の音がしているし、
高いキーを叩いても、柔らかさ、しなやかさを失わずファツィオリらしさがチャンと出ている。


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一方、普通のCDでは高音のアタックは耳にきつく聞こえる。
OPPO UDP205のNEO6.0を使っても変わらなかった。

彼女のベートーヴェンのピアノソナタ全集は現在進行中だが、
ハイペリオンではこの8番「悲愴」、15番「田園」の入った1枚を除いて、
新録音も通常のCDしか出していない。
30-32番をファツィオリで是非とも聴いてみたいのだが、
全集が出来上がってもSACDバージョンは期待できなさそうだ。

SACDは数が出ないからハイペリオンが嫌うのは分からなくは無いが、
ファツィオリの音色をキチンと出すには44.1kHz/16bitでは無理だ。 

後はBlu-rayか。
バッハの全集をCDで出してたら何枚要る事か。
これを機にBlu-ray Audioへ舵を切って欲しいものだ。









澤野工房~A BOY FULL OF THOUGHTS

2018年01月15日 08:06



OPPO UDP205が入ってきて、CDを聞き直している。
ライナーやミュンシュが指揮した50~60年代の録音を、SACDとのハイブリッドにしたシリーズがある。
マランツSA-11S1では然程差がなかったが、改めて聴き直してみて、あの頃の録音にこんなに細かい音が入ってたんだと感心させられた。

ジャズのCDも聞き直してみるかとCD棚を漁っていたら澤野工房のサンプラーがでてきた。
「シンセカイの下駄屋さんがCDを出している」と言われていた頃の、初期のアルバムのサワリを3分ずつ入れた試聴盤だ。

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当時は、メリハリが顕著なヴィーナスレコードに走ったのだが、今聴くと中々いい音がしている。
ベースがただブンブンと呻るのではなく、ウッドの楽器の質感をちゃんと出している。


配信に追われて、CDは年々売り上げ枚数が減少している。
ワルツ堂やHMVのリアル店舗はとっくに無くなって、ディスクピアだけが残っている。
澤野工房はまだやっているのかと、何年間かぶりにHMVのサイトに入ってみたら新譜を出し続けていた。


サンプラーに入っていた盤を何枚か買った内の一枚

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[A BOY FULL OF THOUGHTS/AS003]

ジャケットタイトルにもなっている曲の、和音をミステリアスに重ねる出だしに惹かれた。
しかしジャケットで聴いてみるとどうも雰囲気が違う。
サンプラーの方の音が小さかった。
ボリュームを下げていくと(UDP205はリモコンで微調整出来るので便利だ)、サンプラーと同じような雰囲気になった。
この和音の連打は曲全体のテーマにもなっているので肝心な所だ。

ボリュームを絞って聴いた方が良いジャズもあると初めて知った。




ヘルムート・ヴァルヒァの平均律 EMI録音

2017年04月17日 10:31



「あいつ」の病気が発覚して以来、クラシックは単なる音に過ぎず何の癒しにもならなくなった。
年間数百枚買っていた事もあったのに、ここ数年は1枚も買っていないし真空管アンプに灯が入る事も絶えて久しい。

その中で唯一バッハの平均律だけは何も考えずに聴いていられた。

先日、HMVへのショートカットはまだ生きているのかとクリックした時に、ふと「ヴァルヒャ 平均律」を検索してみたらこのCDが出てきた。

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[Celestial Harmonies19926 ]


初めての平均律はヴァルヒャの1961年EMI録音のLPだった。
彼はその後1974年アールヒーフに再録音しているが、当時はまだでていなかった。
新旧の違いはアンマーチェンバロかピリオドかという楽器の違いだった。

日本プレスでなく自分で輸入したEMI盤だったのだが、LPの処分を始めた時に売ってしまった。
後になって、あの硬質のチェンバロの音をもう一度CDで良いから聴きたいと思ったが、
旧録音どころかアールヒーフの新録音さえ廃盤の状態だった。
これに懲りてLPの処分はストップした。


モダンチェンバロでの演奏を騒々しくて下品だとか、バッハの時代にはなかったと言う人もいるが、私は倍音が豊富で豊かな音のモダンチェンバロも好きだ。
騒々しくて下品というのは演奏者の問題であるし、バッハは楽器も速度表記(例外はあるが)も指定していない。
モダンチェンバロやピアノを知っていたら、好奇心旺盛な彼は数多くの曲を現代楽器向けに残したに違いない。

LPで聴いていた時は、帯域を広くとらない録音でやや硬質ながら滑らかさのある音だった。
今、デジタル化された音を聴いてみると、あれはEMIのプレスに依るものだったようだ。

ピリオド楽器は余韻が短いのでテンポが速くなりがちだが、モダン楽器では余韻が長くとれる。
50年以上前の録音だが、悠楊迫らぬテンポで淡々と繰り出されるバッハは、現代の奇を衒った演奏とは一線を画すものだった。




どっこいクラシックは死なない!

2014年12月14日 09:51

これまでも「クラシックは死なない」シリーズでは散財してきた。

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まず第一弾「クラシックは死なない」はブログ開設以前で、HPに書いた。
特集 「クラシックは死なない!」 第1章 この演奏は聴け
特集 「クラシックは死なない!」 第2章 この人だけは語りたい
特集 「クラシックは死なない!」 第3章 衝撃的アルバム群

第二弾「それでもクラシックは死なない」
それでもクラシックは死なない
ユーリ・シモノフ~「クラシックは死なない」シリーズ

第三弾「やっぱりクラシックは死なない」
1~3が混在する
HMV夏のポイント10倍セール第1陣~「クラシックは死なない」シリーズ
「幻想」交響曲聴き比べ~「クラシックは死なない」シリーズ
HMV夏のポイント10倍セール第2陣~「クラシックは死なない」シリーズ
ヨウラ(ユーラ)・ギュラー その1 「クラシックは死なない」シリーズ
ヨウラ(ユーラ)・ギュラー その2 古畑銀之助「ある晴れた日に」
HMV夏のポイント10倍セール第3陣~「やっぱりクラシックは死なない」
脳天唐竹割~パーヴェル・セレブリャコフ
スルタノフ・伝説の日本ライブ

第四弾「まだまだクラシックは死なない」~松本大輔
は図書館ですんなり借りられた。
流石に食傷気味だったが、それでも「10枚くらいはHMVのお気に入りに登録した」
どれがそのCDか不明だ。

そして今年10月に第五弾「どっこいクラシックは死なない」が上梓された。

「どっこい」だと「生きている」になると思うが、それは置いといて、
「超名曲の知られざる名演」、「メジャーな人だっていいんです」はこのシリーズの肝だが、
「大作曲家のすてきなマイナー作品」ではちょっと引く。
「名前はきいたことのある作曲家の傑作」「マイナーな作曲家だってすごいんです」になると
CDのタイトルだけ見て読み飛ばしてしまう。


それでも、HMVの「1万円以上でクーポン20%」に惹かれてまとめ買いをした。
まだ一部しか入荷していないが、その中でベートーヴェンのピアノ協奏曲全集が面白かった。
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ベートーヴェン・ピアノ協奏曲全集~試演時の編成による演奏 スホーンデルヴェルト、アンサンブル・クリストフォリ
[Outhere Music Alpha820]

ベートーヴェンの管弦楽作品を試演したロプコヴィッツ邸の会場に椅子を並べてみたら2管編成のほか
弦楽奏者は7人しかしか入れなかったという。その編成のオケとフォルテピアノによる演奏。
ピアノ協奏曲第6番(ヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲)も入っている。

最小編成とは言え管が入っているからか、まだ「オケ」の音になっている。
スホーンデルヴィルトのフォルテピアノはクリアーで、オケの音量とバランスが取れている。



確か室内楽伴奏もあったような・・・・。

探したら、2枚出てきた。
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Pf)Heidrun Hoitmann [musicaphone M53849]
Vn 3にVla,Vcの弦楽五重奏でビアノ協奏曲の3番と4番が入っている。

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Pf)白神典子 [BIS BIS-CD-1177]
Vn 2,Vla,Vc,DBの弦楽五重奏でビアノ協奏曲の1番と2番が入っている。
こちらの方が弦楽の音域が広く、聴き応えがする。

ピアノ協奏曲第6番の室内オケ版もあった。
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Pf)Mustonen [DECCA4762728]
廉価版のELOQUENCEシリーズで出ている。
Deutsche Kammerphilharmonie とある室内楽団だが、こちらはティパニが加わっている。
古楽器オケではよくある事だが、これもティンパニが目立ち、「ティンパニ協奏曲」になっている部分がある。

因みに、ラローチャとメータ/ロスフィルの皇帝がカップリンク゜されている。
当然こちらが「A面」だったのだろうが、聴いた事が無い。





ル・カルネ・イナシュヴェ/ジョルジュ・パッチンスキー・トリオ

2014年07月22日 14:23

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[キングインターナショナル/Arts & Spectacles KKJ110]

これは寺島靖国氏が2013年のベストレコーディングに押しているアルバムだ。
これまでは寝室の小型コンポで聴いていた。
一応300Bシングル真空管アンプであったが、温和しくスローバラード調の曲が続くアルバムという印象だった。
安原顯とPCM放送でガンガンやっていた頃に比べたら、寺島靖国も歳取って丸くなったなあと思った。

ところが、タンノイヨークミンスター+RCA50シングル真空管アンプで聴いてみると、低域にぐっと帯域が拡がった。
更に、本ちゃんの4アンプマルチで聴いてみると、印象が以前とはガラリと変わった。
ベースがブンブン鳴っている。
スティックで叩くシンバルが真鍮の厚みと重さを感じさせる。
その間にピアノが丁度良い響きで割って入る。
基本線はギンギンバシバシなのだけれど、響きに奥行き感があって、音の空間の中で各楽器に実在感がある。
成程、これは寺島氏が押すハズだ。

このCDは聴く装置の大きさで評価が全く分かれる。
30センチウーファーのヨークミンスターでもまだ物足りないから、16センチサブウーファーの2.1ch位では良さは全く伝わってこない。
音楽評論家と称する人の中には、許某のようにカーステレオや小型ブックシェルフで聴いて評価を下す人も居る。
昨今のクラシックはコスト面で採算が厳しく、ゲネプロをライブ録音として出す事が多いからこんなCDは出ないけれど、
編成の少ないジャズでは、レコーディング・エンジニアがポリシーを全面的に主張してアルバムを作る事も可能なようだ。





キース・ジャレットのバッハ平均律クラヴィーア曲集第2巻

2012年12月24日 11:25

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今度の件では、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」に随分と救われた。
プレイヤーをリピートにして、朝から晩まで、来る日も来る日もこのCDを流し続けた。
スマホにも入れて、移動中、病院での待ち時間ずっと同じ音楽を聴き続けていた。
あの曲が聞こえてないと正常でいられない。中毒患者のような状態だった。
音楽による究極の癒しだった。


あんな大手術でも、翌日から病棟内を自立歩行し、9日後には退院した。昔なら最低1ヶ月は入院しただろうが、手術を必要とする患者が次々に押し寄せるから、最低限の期間で退院させるシステムになっている。

退院後はこちらも少し心に余裕が出来てきて、ジャレットの他のクラシック曲を探して、このアルバムに行き当たった。第1巻だけは以前から持っていた。どういう訳か第1巻はピアノだが、第2巻はチェンバロを弾いている。それで第1巻しか買わなかったのだと思う。

チェンバロも好きな楽器だから買ってみた。
まず音の違いに驚いた。クラッシックのチェンバロ録音とまるで違う。やたらオマイクにしてタッチノイズも一緒に拾うのではなく、綺麗なホールトーンが適度に入っている。クラシックのチェンバロ録音では音の輪郭をクッキリ・ハッキリさせ、その結果平板な音になってしまう事が多いが、この録音では音の響き・深さを最優先させている。写真でいえば輪郭のシャーブさでなく、色彩のダイナミックレンジで解像度を高めているツァイスのレンズで撮っているような感覚だ。
演奏はクラシックのプレイヤーがよくやるパッハの「新解釈」を振りかざし、やたらと装飾音を入れるような喧しいものでなく、音を一つ一つ選んで最小限の音で音楽を構成している。この辺りはグールドのゴールドベルグと通ずるモノがある。

これはECMの録音とジャレットのスタイルが絶妙にマッチングした、チェンバロではヴァルヒャ以来の名盤だ。ジャズピアノニストが弾くバッハ、という偏見や先入観を持たないで一度聴いてみられる事をお勧めする。それと、できれば真空管アンプで。

病気で一時活動を停止していたらしいが、演奏活動を再会している。願わくば第1巻のほうもチェンバロで再録音してくれたらと思う。

これ以外のキース・ジャレットのバッハでは、フランス組曲が平均律と甲乙付けがたい出来だ。一方、ゴールドベルグはテンポも音も重く、肩にやや力が入った演奏になっている。使っているチェンバロも他と違う新しい楽器のようだ。
またモーツァルトのピアノ協奏曲を、第9・17・20番と第21・23・27番の入った2つのアルバムで出している。オケは小編成の割にトゥッティでは重いところがある(名門シュトッツガルト室内管弦楽団の伝統か)が、いずれの曲でもキースの繊細で柔らかいタッチが楽しめる。ゆったりとしたテンポで温かいモーツァルトになっている。



26枚目のマーラー交響曲第6番~ハイティンク指揮ベルリン・フィル

2012年01月06日 14:40

放送録画・録音を除いてマーラーの交響曲第6番は全集で6種、単独で19種持っていた。
26枚目は、ハイティンクが1989年にベルリン・フィルを指揮したものになった。

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このコンビの録音は第8、9番を残して途中打ち切りになって久しい。
ハイティンクはコンセルトヘボウ時代にフィリップスで全集を録音していた。その後フィリップスはドイツグラモフォンを中心としたユニバールに吸収合併されてしまい、社内でのプライオリティが下がってしまったのだろうか。

このシリーズの国内盤があって5番と1番持っていたが、好きな6番をこのコンビで聴いてみたいと思っていたのに、6番だけずっと廃盤だった。
最初から人気があって、売り切れたけど追加プレスをしていないのかとあきらめていたけれど、なんだアマゾンりマーケットプレイスなら簡単に入手できるではないか。


それにしてもこの悠揚感は何だ。
元々楽天的な人なのか。ベルリンフィルというスーパーハイテクニックのオケだから安心しきって振っているのか。演奏時間は83分。ハイティンクがフランス国立管弦楽団2001年のライブは78分なので少し遅い。1~3楽章が長く、最終章は逆に少し早くなっている。

ハイティンクはコンセルトヘボウ時代からゆったり系の指揮者だった。
だがチェリビダケッケがそうだったように、思い通りにオケを従わせた悠揚迫らぬ大家の演奏になっているかといえばそうではない。

変な緊張感はなく、緊張感が非常に強いテンシュテットの1991年のライブと対極にあるような演奏で、これはこれでいいと評価している。

悲劇的という表題を意識していたらアテがはずれるが、元々悲劇的という副題はマーラー自身の意思ではない。


スルタノフ・伝説の日本ライブ

2011年12月28日 15:00

今年のHMVでの散財は、CD・LP・DVD併せて162枚、金額にして87866円、1枚辺り平均約550円だった。金額は前年の半分以下。年の前半は全く注文しなかったからこんなものだろう。

その今年の最後で凄いCDに出会った。


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【曲目】
ショパン:
 バラード 第4番
 スケルツォ 第2番、第3番
 ポロネーズ 第6番 「英雄」
 ピアノ・ソナタ 第3番
 ワルツ 第1番 「華麗なる大円舞曲」
 マズルカ 第35番、第34番
 練習曲 第12番 「革命」
 夜想曲 第13番
 幻想即興曲
 24の前奏曲より 第20番~第24番
スクリャービン: ピアノ・ソナタ 第5番
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ 第2番
【演奏】
アレクセイ・スルタノフ(ピアノ)
【録音】
1996年3月31日,4月2日 東京・紀尾井ホール(ライヴ)
[オクタヴィア OVSL00013]


スルタノフの凄さについては、以前 HMV夏のポイント10倍セール第3陣~「やっぱりクラシックは死なない」で書いた。
あの「はっきりいってケンカ」という演奏をもっと聴きたかった。

ショパンが主体のプログラムになっている。どれもこれも、若死にした繊細な作曲家というイメージからは程遠い演奏で、激し過ぎる打鍵は「リスト風ショパン」とでも言うべきか。
ショパンの曲は楽譜通りに弾いても「ショパン風」になかなかならない。MIDIを打ち込んで見れば判る。
ショパン弾きと言われる人は、それぞれ意図的に崩している。その崩し方が一方向に片寄って、「ショパン風」のイメージが出来上がっている。それが、スルタノフの場合一般的でない方向に向いたからと言って批判するのは不当だろう。中でも英雄ポロネーズやピアノソナタ第3番は、彼のスタイルによる演奏と良くマッチしている。


彼はホロヴィッツに傾倒していた。ラフマニノフの2番はオリジナルではなくて、ホロヴィッツの「改訂」版を使用しているという。そのラフマニノフよりスクリャビンのピアノソナタ第5番が素晴らしかった。スクリャビンってこんなに面白かったのか。スクリャビンはアムランの全曲集中のと聴き比べた。最初はスルタノフが弾いてるのと同じ曲なのか、CDを入れ間違ったのかと思った。スルタノフと比べれば、あのアムランでさえ曖昧で茫洋とした、これまでの「スクリャビン風」演奏スタイルを引きずっているように思われる。スルタノフは徹底的に豪快で切れの良い演奏で、別々に聴けば他の作曲家の作品と言われても頷首してしまいそうだった。


国内マイナーレーベルで、音質は「スルタノフ チャイコフスキー・コンクール・ライヴ」や「チャイコフスキーとラフマニノフの2番」よりはるかに良い。松本氏が「クラシックは死なない」シリーズで2度もスルタノフを取り上げていながら、なぜこのCDを入れいなていのか不思議である。

聴くと元気が出るCD~スパニッシュ・スペキュタクラー/スタンリー・ブラック

2011年12月26日 14:00

2011年は、3.11の震災と原発事故に始まり、史上最高の円高、欧州金融危機、世界各地では独裁政権が崩壊し、北朝鮮王朝のトップも死んだ。日本国債の発行残が短期を含めると遂に1000兆の大台に乗り、大阪では政令指定都市の解体というとんでもない実験が、無責任な政治トレンドに乗って執行されようとしている。
激動は越年し、止む気配はない。決して明るい未来とは言えない。

そんな中、聴くと元気が出るCDをご紹介しよう。

イギリスのVocalionというレーベルは、過去のLP2枚を1枚のCDにして出している。
マントパーニー、ポール・モーリア、フランク・プールセルといったイーシーニスリングものが多い。

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Spain & All Time Top Tangos
[Vocalion CDLK4231]

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Spain 2 / Top Tangos
[Vocalion CDLK4286]

スタンリー・ブラックとそのオーケストラによるこの2枚は、前半がタンゴ、後半がスペインものになっている。その後半がお勧めだ。ロンドン・フェスティバル・オーケストラと表記されているオケの実態はロンドン交響楽団である。


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LP時代に「スパニッシュ・スペキュタクラー/スタンリー・ブラック」というタイトルの2枚組がキングから発売されていた。(SL179/180)
長岡鉄夫が、特にスピーカーマトリックスによる4チャンネル効果が大きいとして絶賛していた。
録音は1960年代であるが、ロンドンのフェイズ4録音は半世紀経った今も輝きを失わなず、今でも変わらず愛聴している。

HMVのサイトに日本語の曲名リストが無いので、LPジャケットからスキャンした。
SIDE1/SIDE2が[Vocalion CDLK4231]、SIDE3/SIDE4が[Vocalion CDLK4286]の後半の内容になっている。

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ヴァレンシア、マラゲーニャ、カルメン幻想曲、闘牛士現る、「カスティーユ勇将」の行進曲という派手で豪快な曲。
ブレリアス、グラナダ、セビリャーナス、エスパーニャ・カーニ(スパニッシュ・ジプシーダンス)、ルンバのフラメンコもの。
それにエストレリータ、ラ・パロマのような静かなソロギター中心の曲が巧みに配されており、何度聴いても楽しく、気分転換させてくれる。

「闘牛士現る」は観客の「オレー」という歓声や指笛まで入り、自分が闘牛場の中に居るような気にな。擬似4chで聴くとはサラウンド効果が抜群だ。
同じくニューマン作曲の「カスティーユ勇将」の行進曲は、ティンパニが強烈にリズムを刻み続け古代の歩兵軍団を思わせる。ブラスが効果的に入り、ボレロのように同じ旋律を繰り返しながらクレッシェンドしていく。やがて曲はクライマックスに向かい、勇壮なマーチの高揚感は頂点に達して終わる。レスピーギの「ローマの松」のアッピア街道に比肩しうる名曲だ。


どちらのCDもLP1枚分のタンゴか「おまけ」についてくる。スタンリー・ブラックはタンゴが嫌いだったと言われている。しかし変にコブシを効かせたをアレンジせず、ストレートでダイナミックナなタンゴも又いいものだつた。