投稿日:2008-05-25 Sun
先月、餘部鉄橋の掛け替え工事が始まるというので、最後の姿を撮りに行った。
ニュース映像でみてきた印象は、鉄橋はいかにもか細く、日本海からの風雪によくこんなもので放置して来たなというものであった。しかし、実物を間近で見てみると、マスメディアが報道趣旨に映像を迎合させて、意図的に錯覚を生じさせたということが判る。
大いなる非電化ローカル線である山陰本線には、不釣り合いな巨大な構造体であった。

列車が強風で落下するという、前代未聞の事故の原因は、あいまいな通過可否決定基準であって(往事の運転手なら、自己判断できたろう)、鉄橋そのものの構造が問題であったわけではない。
強いて言えば、通常の鉄橋の如く、線路をスッポリ覆うようなトラスが組んであれば、惨事は防げたかもしれない。トラスを組まなかったのは、足組の構造で鉄橋の強度は確保されており、余分の重量による更なる巨大化を避るという、設計の合理性から来ているものと思われる。



餘部駅への道は、駅新設誓願の時、地元民の労働奉仕で造られた急な葛折りの坂道で、「頂上」へ付くと息が切れる。現在は整備された道路がアクセスの主役になっている。
どんな鉄橋に掛け替えられのかは知らないけれど、餘部の駅としての役目は既に終わっている。
山陰本線を各区間で見てみると、1日数本の各停列車しか走っていない。「通し」で走る列車は既になく、乗車効率は極めて悪い。鉄橋の掛け替えより、JR西日本にはもっと優先度の高い投資先がある。経営効率から言えば、寸断あるいは廃線にしてしまいたいというのが本音ではないだろうか。北海道では、海岸線を走っていた路線は綺麗サッパリ消えて、道路が主役になっている。過去の歴史的経緯や感傷を別にすれば、無ければ無しで済む路線だったのだ。


帰りに城之崎へ寄って、外湯でひとっ風呂浴びた。すっかり忘れていたが、香住からの海岸線は名高いリアス式海岸で絶景が続く。「旧餘部鉄橋」とセットにすれば、松葉ガニ以外のシーズンでも充分人を呼べそうなのだ。
廃線にした方が観光的価値がアップするかも。なんとも皮肉な話だ。

円山川の対岸にある玄武洞。城之崎へは来ても対岸から眺めるだけで、行ったことはない。円山川が太すぎて、「奇景」ではあるが「秘境」の感が無いのがマイナスになっている。
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