鮎川哲也「碑文谷事件」

2010年07月30日 16:58

「砂の城」以来、鮎川哲也の鬼貫物を読み返している。

「黒い白鳥」(1959年)
「憎悪の化石」(1959年)
「人それを情死と呼ぶ」(1961年)
 砂の城(1963年)
「偽りの墳墓」(1963年)
「死のある風景」(1965年)
「準急ながら」(1966年)
いずれ劣らぬアリバイ崩しの名作揃いだった。

短編・中編でも、「鬼貫警部全事件」というシリーズが出版芸術社から全3巻で刊行されている。
「碑文谷事件」は昭和30年(1955年)に発表された、鬼貫が国内で活躍する最初の短編だが、そのトリックがユニークだった。

列車に乗車していた日付を、通過駅を読み込んだ俳句で一日ずらしてしまうという大胆なものだ。同じ名前の駅名がならんでいる所が2箇所あって、それぞれ通過する日付が異なるのを利用する。2泊3日で目的地に到着するという、長距離普通列車が走っていた当時だから成り立つトリックとはいえ、よくもこんな列車を見つけてきたものだと思う。発表当時は「なぁーんだ」だったかも知れないが、今は誰も思い付けない。

ただタイトルの「碑文谷」というのは、事件が起きた場所というだけで芸がない。本来は「準急ながら」や「下りはつかり」のように、列車名を持ってきたかったが、生憎と普通列車で愛称がなかった為だろうか。それでも「碑文谷事件」より「二〇二二列車」の方がインパクトがあったと思うが。




300mm MACRO

2010年07月29日 06:36

夜来の雨で、17日に梅雨が明けて以来、文字通り「梅雨明け十日」の猛暑から久しぶりに開放される。小降りになったので窓を開けると、サルスベリが花房に水を含ませて大きく撓んでいた。


100mmマクロでは少し遠い。新入りの SIGMA APO70-300mm を持ち出してマクロモードを使ってみた。
望遠端300mmmでレンズ側のスイッチをMACROに切り替えると、最短撮影距離が1.5→0.95mとなり丁度良い距離になる。
手持ちで、7倍拡大のMFCKは厳しいが、揺れる画像で何とかピントを合わせてシャッターを切る。
こういう時にレンズ内手ブレ補正だと、もう少し楽なのだろうか。


DSC02573s.jpg
F5.6 1/160 ISO1600





ヤマト運輸の陰謀

2010年07月28日 16:37

メール便の遅れが目立つ。

サービスが始まった当初は宅急便とほぼ同じスピードで、規制緩和の効果アリと思ったものだ。
しかし、400キロ内を3日後、それ以上は4日後というサービスダウンからおかしくなった。
3日後、4日後に届けるというのでない。それ以後にならないと配達されないのだ。


始めの内は、それでも3日後、4日後に届いたし、東京-大阪なら400キロ以上でも3日後に届いていた。しかし、最近は京都や神戸のような近距離でも4日後、5日後になる。郵便なら翌日には配達されるのに。
サービスダウンは、表向きは余裕をもたせて欲しいという理由だったように思うが、遅れるのではなくて、意図的に営業所で寝かせられている。

小口で集めて、小口で配達は効率が悪い。ダイレクトメールのような大口が望ましい。
ダイレクトメールや、官庁・企業からの通知書なら時間が掛かってもクレームは出ない。そもそも遅れているかどうか判らない。参入の動機もそれだっただろう。

しかし、ユニバーサルサービスにしないと認可が下りないので、小口にはやむを得ず対応している。
なので、小口客が根をあげて日本郵政を利用してするように、し向けているのではないか、と疑っている。美味しいところだけ切取って、手間が掛かって儲けにならない部分は日本郵政に引き受けさせよ、という構図が浮かぶ。


小口客にも、抵抗の手段はある。
期限が過ぎて届かない場合は、フリーダイヤルのお客様センターに、伝票番号を告げて今何処にあるかの調査を依頼する。大抵最寄りの営業所で寝かされているだけだから、3時間以内には投函されている。


SIGMA APO70-300mm F4-5.6 MACRO

2010年07月27日 16:50

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望遠はα330の時に買ったダブルズームの片割れしかない。
もう少しマシなのが欲しいが、良いレンズは皆1キロ以上している。重たいと、なかなか持ち出す気になれず、防湿ケースの肥やしになってしまう。結局70-300mmという平凡な物に落ち着いた。
ボケを入れたい時は100mmマクロがあるから純正のGレンズにも食指が伸びず、安いシグマになった。

まず画角
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18mm 標準ズーム (35mmフィルム換算27mm)

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SIGMA 100mm 開放 (35mmフィルム換算150mm)

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SIGMA 300mm 開放 (35mmフィルム換算450mm)


ボケぐあい
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100mmマクロ 開放


DSC02463s.jpg
SIGMA 100mm 開放

ボケぐあいも良さそうだ。
でも矢っ張りこれは、望遠マクロではなくて、望遠レンズとして使いたい。

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我が家から生駒山まで直線距離で17~18kmあるが、天気の良い日には山頂のテレビ塔が見える。3階のベランダから向かいの家の大屋根越しに SIGMA-70mm で撮ったもので、肉眼で見た感じに近い。




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300mmまでズームすると、山頂に並ぶ各局のテレビ塔が見える。
手前の斜めになっているヤツは工事現場のクレーンで、更にその手前にある公園の樹木の先端が少し邪魔になっている。

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ベランダの手摺りにα550を載せて、マニュアルモードでピントを合わせてじっと待つ。
風が吹いて、木が傾いだ時がシャッターチャンスだった。
F16 1/500 ISO250

DSC02491ass.jpg
山頂部のトリミング。
紅白に塗り分けられた塔の途中に、光っている小さな卵みたいなのは、地デジのパラボラアンテナだろう。目で見えなかったモノが、新品でも2万円弱のレンズでこれ位に撮れるんだから良しとしよう。


蛇足
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アンテナを撮り終わって、反対側の空を見たら飛行機が見えた。
300mmでもこれくらいで、ANAの機体である事しか判らない。


DSC02564-2s.jpg
トリミングしてみる。
胴体の輪郭がボヤけ気味だが、レンズの所為か日中の厳しい太陽光の反射の所為か判らない。
前輪を出し終えて主翼の車輪を出しつつある。これから伊丹に着陸する便だったのか。



「ミニトリップ(5)大回りで柘植から草津線、奈良線、東西線へ」と「ミニトリップ(6)加古川線も大回りで」をアップしました

2010年07月25日 10:00

↓結局、3日続けて日帰り旅行する事になった。同じ7月でも、去年は今年ほどは暑くなかったからやれたのだろう。

終の棲家別館~線路は続くよどこまでも

「ミニトリップ(4) 羽衣線、和歌山支線、和歌山線」をアップしました

2010年07月24日 10:24

終の棲家別館~線路は続くよどこまでも

鮎川哲也「砂の城」

2010年07月23日 16:43

7/9のエントリー、文藝別冊「宮脇俊三:時刻表が生んだ鉄道紀行」の中の有栖川有栖のエッセイで、彼が鮎川哲也に「この本は、宮脇氏から執筆依頼があったのではないか」と訪ねて、同意を得たという話があった。

この作品は時刻表を使った大阪-鳥取間のアリバイ崩しが秀逸という評もあった。
鮎川哲也の、特に鬼貫面警部ものは、全て読んだはずだが再読してみた。


東京発の夜行急行「出雲」に乗れなかった犯人が、如何にして翌朝鳥取駅で出雲から降りたのか。
次発の急行の名古屋着は出雲発車の一分後だが、それに飛び乗れないかという点はホームが離れていて無理だった。次に、次発の急行で天王寺に着いて、地下鉄で大阪駅に行けば出雲に間に合う事が判ったが、しかし当日は霧で大幅に遅れが出て乗り継ぎは不可能だという事が明らかになる。飛行機は女性客ばかりでだったので除外されている。
残るは国鉄の列車乗り継ぎだけだが、挿入された5枚の時刻表と本文から、読者にもトリックが暴けるという、アリバイ破りの本道を行く作品だ。


その挿入された当時の時刻表が垂涎物だった。
問題の「出雲」の行き先は浜田・大社。現在の「サンライズ出雲」は出雲市止まりだが、当時は大社線があって大社まで行っていた。
次発の急行「大和」は名古屋から関西本線に入り、天王寺を通って湊町(現JR難波)が終点というルートを取る。
関西線に寝台列車を繋いだ列車が走っていた!
1~2両の各停ディーゼルカーしか走っていない、現状からは想像もつかない事である。
また、博多行「筑紫」、大阪行き「明星」「彗星」「金星」「あかつき」と15分に一本夜行寝台列車が発車している。寝台は付いていないけれど、名古屋行き夜行準急「東海4号」というのもあった。「1本のレールの上を抜きつ抜かれつする」ような状況だからこそ生まれたトリックだった。

「旅の終わりは個室寝台車」に登場する最後の長距離各駅停車列車824列車は1984年で姿を消したが、ここでは下関発福知山行き816列車(5:49-23:13)、門司発京都行き818列車(8:46-5:40)を始めとする長距離各駅停車列車が何本も走っている。

スト-リーを追うのとは別に、時刻表のページを何度も見返した事だった。



図書館で借りたのは1975年、立風書房から発刊された鮎川哲也全集で、巻末の解説に『作者自身の説明によると、「砂の城」は、「探偵作家クラブ賞」を受けた夜(昭和33年3月19日)の席上で、宮脇(中央公論社)出版部長から書き下ろしの執筆を依頼されました』とある。また著者の「創作ノート」にも同様の事が書いてある。
この全集が出された時、旅行作家宮脇俊三はまだデビューしていなかった。鮎川哲也が有栖川の問いで記憶を呼び戻し、全集にその事を書いたというのではあり得ない。
有栖川は「砂の城」の出版時期と、宮脇さんの社内での地位からその可能性に思い至ったように書いているが、既出の話で、殊更鮎川氏に確認するような話ではなかったのだった。


お風呂でウンチ

2010年07月22日 17:46

が2度続けてあった。
これには参った。赤ん坊と同じだ。
入浴前にトイレに座らせても出ずに、お風呂で出る。
認知症になったのではなくて、ずっとおしめを使っていたから、排便の感覚が無くなっているようだ。
これまで「遭遇」しなかったのが不思議な位だ。
その日はもう誰も入る気がしない。


特老ホームなら、浴室を塩素殺菌しなくていならないので、大変らしい。
ケアマネさんに、特老ではどんな対策をしているかと訊いたら、その人ごとの排便のタイミングを把握して、入浴時と重ならないようにしているという。

でもそれは難しい。何時「している」か判らないし、「している」タイミングもまちまちだ。
とはいえ放置しておくと本当に認知症に成りかねない。
出ても出なくても毎日同じ時間にやらせて、習慣づけるしかないのか。
ペットの躾と同じではないか・・・・。



DMW-VF1はLX3の後継機LX5でも使える

2010年07月21日 17:30

LX3の後継機 LX5が公式発表された。今週初めにリークされていたのと同じ内容だ。
CCDセンサーそのものは変わらず、少し高感度側に改良され、ズームは60mmから90mmに伸びた。
レンズアダプターやワイドコンバーターの型番が変わっているのは、望遠端の延長でズーム長が変わって、鏡胴の径が変わったのではないだろうか。
GF1用のEVFが外付けのオプションとして使えるようになったが、内蔵ではなく、OVFであるDMW-VF1もオプションリストに引き続いて入っている。

LX3用光学ファインダーの投げ売りは何だったのだ。
速攻で¥8000になっているVF1をクリックした。


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野外の光が強い時、液晶画面が見えなくなるので、ファインダーが欲しくなる。
それに加えて、ホームへ入ってくる列車や、通過駅の駅名標撮影では、液晶の表示遅れから何度も失敗している。前者はEVFでも構わないが、後者はOVFが必要だ。

ズームに追随せず、広角端での枠が見えるだけの物なのに、つい一月前までは2万円近くしていた。
本体価格とのバランスを欠いているが、他の製品も概ねこれくらいする。数が出ないのだろう。

8000円でも高いが、LX5でも使えるとなると又高騰する可能性があるので手を打った。

取り扱いは至って簡単で、外付けストロボのシューに差し込むだけ。
視度調整さえ無い。

さて、これを使うシーンが今後どれくらい出てくるだろうか。


水琴窟

2010年07月19日 16:34

水琴窟は、地中に埋めた甕の中へ水滴を落とし、その音を楽しむ装置。
地中に甕を埋めるというのは中国風の発想のように思われるが、実は江戸から明治にかけて日本の庭師が造った。


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オーディオ的に言えば、通常なら急速に減衰する雨垂れ音の高調波成分を、甕の中で反射させて拡散を防ぎ、豊かな響きを附加する装置。
時折、テレビやFM放送で取り上げられる。最近ではNHKの「美の壺」-水のある庭で紹介されていた。

CDも少ないながら出ている。聴いてみようと思ってHMVのサイトで「カートに移動」しかけたが、ひょっとしてと、図書館の蔵書検索をしてみたら、何と4枚もあった。
「水琴窟が奏でる四季の安らぎ」というシリーズで、春夏秋冬編に分かれている。
中央図書館蔵かなと思ったら、地域図書館で2セット揃えられていた。大阪市立図書館恐るべし。


所詮雨垂れの音だから、水琴窟の音以外に音楽の演奏や他の自然の音を入れて、BGMにしているのではないかと想像していた。ところが聴いてみると、確かに虫の音、鳥の声、風音や雷鳴の自然の音が入っているが、ほんの少しだけで、ほぼ全編水の落ちる音だけで構成されている。


1枚には一箇所の水琴窟しか入っていないが、水が流れ込む量によって音が変化している。
反対に、一回の落下音そのものは、水琴窟が違っても思ったほど違いがない。
流石に、水が水面に当たる音からは変化していて、水が入っていないか、ごく僅か入った分厚い金属の甕に、水滴が落下する金属的な音がする。「琴」と言われれば、そんな風に聞こえない事もない。


マイクと水面の位置関係によっては、直接音と反射音の割合が変わって、音が変化するのでないかと思う。オーディオ的には面白いが、このシリーズでは「真面目」に水琴窟としての音を捉えているようだ。
どの程度の音量で聴けばよいのか。違いを聞きわけようと思えば大きくするにこした事はないが、現物を聴いたことが無いので、見当がつかない。


あれこれ試しながら、結局4枚の全編を聴いてしまった。