甲状腺機能異常

2013年09月30日 09:18

息子のような症状を、パゾパニブを使っている方のブログで見た事がない。
心臓の脈拍異常で休薬にまでなるというのも、聞いた事が無い。


症状は甲状腺機能の低下と亢進の両方が出ている。
甲状腺ホルモンの分泌は脳下垂体から出る甲状腺刺激ホルモン(TSH)でコントロールされる。
心電図でST-T異常が出て即休薬になった時も、TSHが高くて甲状腺ホルモン分泌が低下していた。
しかしその翌朝、体調が悪くなって夜中の4時に急患で病院に駆け込んだ時にとった心電図は正常に戻っており、TSHも基準内に収まっていた。
昨日の血液検査でもTSHは問題ない値だった。
しかし休薬の直前まで、TSHは正常と異常の間を往復していた。


パゾパニブの直接の副作用ではないが、パゾパニブの副作用→甲状腺機能異常→心電図のST-T異常という図式が浮かんでくる。治験データでは甲状腺機能異常は7.1%と、メジャーでは無いが比較的高い出現率である。

TSHで甲状腺の分泌が増えると、亢進の症状が出て異常な発汗になるが、TSHが減って甲状腺の分泌が減ると低下の症状に変わる。しかしオーバーシュートしてしまうので、再び増加に転ずる。このシーソーが続いているのでないかと思う。その後もまた体調不慮になったかと思えば24時間後には正常に戻ったりしている。


パゾパニブは体外へ排出されている筈だ。ホルモン系が撹乱されて収束に時間がかかっているだけなのか、それとも僅か50日の使用で甲状腺に恒久的なダメージが有り、その症状が出ているのか。
後者なら、もうパゾパニブは使えない。それどころか甲状腺を治療しなければ症状が治まらない。

満を持して送り出したエースが一回も保たずにノクッアウトされたようなものだ。
50日間の使用の対価としたら、副作用と呼ぶにはあまりにも大きい。


母親の愛は何ものにも勝る

2013年09月27日 11:05

先日、突然息子から体調が悪いので来てくれという電話があった。
カミさんは取るものも取りあえず、新幹線に飛び乗った。

パゾパニブを休薬してからも体調不良が続いており、汗をかいて下着が直ぐにボトボトなるかと思えば、逆に悪寒がして風が身体当たると辛い状態になる。腕が痙攣したり異物が血管を流れているような気がする、焦燥感等々で、薬を飲んでも眠れない、食欲が無い、精神的にきつい状態が続いていた。
徒歩30秒でスーパーがあるのだが、そこへ食料調達にマンションから降りていくのさえ困難を感じるので、実家へ帰る事を考えているという。

最後の手術をしてから8ヶ月も経っているので、ダメージは回復している筈。
抗がん剤は50日だけで、細胞毒の蓄積はまだ無い筈。
骨転移があるものの、まだ腫瘍が身体の機能を奪う程大きくなっていない筈。
それなのに、肉腫が判ってからまだ一年にもならないのに、終末に向かっているのか。



これまでずっと素麺ばかり食っていたが、カミさんが食事を作ってやると少し安心したようで、夜も2時間ばかり眠れたようだ。
夜中に部屋の中を歩き回っても良いように、カミさんは廊下で寝た。

翌日は食欲が出てきて、朝食後病院へ行く元気が出た。
私も合流して息子と会った。前から見ると、元々白い顔がよけいに白く見えた以外は変わった様子は無かった。
ただ頭髪が少なくなっているようだった。パゾパニブの副作用に脱毛は無かったはずだが。
睡眠薬をもらい点滴して貰った。急患で朝9時に受付に行き、調剤薬局(ここでも30分待ち)から出てきたのは午後2時半だった。病気になっても体力が無ければ治療してもらえない。

次の日からは普通に食事も取れ、2週間ぶりに元気が出てきた。
その後は調子の悪い日もあるが、眠れて、まともな食事が摂れるようにつれ快方に向かっている。


近頃のトンボは

2013年09月26日 11:21

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近寄っても逃げない。
子供の頃は最も逃げ足の速い虫だったのに。
奴らも平和ボケか。


[NEX-5R+LA-EA2+タムロンSP AF60mm F2 MACRO]
F8.0 1/100 ISO250 -0.7EV ノートリミング




肉腫に使える抗がん剤はもっとある

2013年09月24日 11:28

普通の癌なら、たとえば大腸癌が肺に転移してもイレッサーは使わない。大腸癌用の抗がん剤や分子標的薬を使う。これは抗がん剤が攻撃出来るサイトが原発によってに違うからだ。

一方肉腫の場合は、原発によって抗がん剤を使い分けないで、肉腫の種類によって平滑筋肉腫とか脂肪肉腫で使い分けているようだ。

何でだろう。
普通の癌は、原発よって使い分ける必要がある程、細胞が分化しているのに対して、肉腫は殆どが未分化だからではないだろうか。

肉腫瘍の抗がん剤といっても、それ用に開発されたものは殆ど無く、GTとしてよく使われるジェムザールとタキソテールも普通の癌用の抗がん剤である。

ならば他の抗がん剤や分子標的薬に、肉腫に使えるものがもっとあるのでは無いだろうか。
肉腫では抗がん剤の選択肢が限られているので、治癒するには手術しか無いのが現状だ。
通常の抗がん剤の適用治験データを取って、使える抗がん剤が増えたら、無理な治療をする事も無くなるのだが。



今年のサルスベリは早々に店仕舞い

2013年09月22日 10:59

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サルスベリの葉が黒ずんできた。葉に触るとべとべとしている。


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裏にもびっしりアブラムシが付いていた。



すす病だ。アブラムシの排泄物に繁殖したようだ。
これまでアブラムシの害は7月までだったが、今年は9月になっても止まず、初めてすす病に見舞われた。
すす病は日当たりが悪い枝に発生するような事が書いてあったが、それとは関係なくまんべんなく発生している。

今年はなんとなく花の色が淡かったが、アブラムシの所為かもしれない。
まだ咲き残りの花芽もあるが、早い目に切ってしまおう。残念ながらサルスベリの紅葉は見られない。





フルサイズNEXは買いか

2013年09月20日 11:32

各メーカーから、小型一眼としてミラーレスカメラが販売されている。
特にソニーは、NEXシリーズでブームに火をつけただけあって、一際熱心だ。

ソニーは今後Eマウントにシフトして行くようで、いよいよ来月フルサイズNEXが発表される。
フルサイズレンズが小型軽量ボディで使えるなら、億劫がらずに持ち出せる。



だが、そうは簡単に事が運びそうに無い。

ミラーレスのAFは基本的にコントラストAFになる。
スピードの遅さは像面位相差でカバーされるが、対象となるレンズはソニー純正に限られる。
Eマウントのフルサイズレンズが3種類(ズーム1と単焦点2)予定されているが、Aマウントレンズは直接使えない。

像面位相差が使えるアダプターが発売されるのか。これが第一の関門。
3種類ある純正アダプターは、内部に位相差AFを持つLA-EA2以外は、レンズ内にモーターを持っていてもコントラストAFしか使えない。またフルサイズで内部に位相差AFを持つアダプターは大きく成りすぎると、ソニーが否定している。

Eマウントシステムは基本的にレンズ手ぶれ補正だ。
ツァイスブランドのズームレンズさえ、Eマウントだけは手ぶれ補正を内蔵させた。
フルサイズNEXにボディ内手ぶれ補正が付くのか。これが第二の関門。

1も2もスルーされてしまうと、ボディが小さい事だけしかメリットがない。
果たして$3000~3500、今の100円/ドルだと30~35万も出す価値があるのだろうか。
ここがフルサイズNEXを買えるか買えないかの別れ路になる。

しかしそうなっても、像面位相差を利用できないサードパーティのレンズは性能をフルに発揮できず、高価な純正レンズしか使えない事になる。
結局ソニーはミラーシステムを省いただけで、レンズもカメラもラインナップを一新してしまう。
これがソニーの戦略なのか。



ところでこうなると、消去法で世界で唯一のTLMフルサイズであるα99が浮かび上がってくるが、これも11月で生産中止の噂が流れている。




パゾパニブと放射線は併用不可?

2013年09月18日 11:31

骨転移の疼痛緩和や脳転移した場合のガンマナイフ治療で、放射線照射を受けるケースが考えられる。
パゾパニブは血管新生阻害剤なので、腫瘍へ栄養を断つと共に酸素も断つ。
低酸素状態になった細胞には、放射線が効きにくく、通常の2.5~3倍の量の照射が必要とされている。

(慈恵医大放射線治療部、兼平教授の「放射線治療の原理2013.5.14」というpdfファイルの27枚目を参照
http://www.jikeirad.jp/igakusei/3nensei/3nensei_13/3nen_kanehira.pdf)
肉腫は癌より放射線が効きにくいとされているから、余計厳しい。


更に血小板が減少する副作用がある為、放射線感受性の高い内臓が放射で出血を起こして止まらないというリスクも考えられる。

これを避ける為にはパゾパニブ一時休薬して、低酸素状態から再酸素化する必要があると考えられる。
しかし、どれくらの期間休薬すればよいのかというガイドラインは同様の作用機序をもつ抗がん剤(アバンチン等)にもまだ無い。更に、腫瘍の増大というリスクを負わねばならない。
(放射線と相性が良い分子標的治療薬は?の3ページ目後半参照)



がんは治療した方が早く死ぬ (3)

2013年09月16日 11:11

我が子の場合を考えてみる。

これまで「平滑筋肉腫」というキーワードに着目して情報を集めていた。
しかし、原発の手術後半年位で骨と臓器に多数の転移が出てきてしまった現実に、方針の誤りを認めざるを得なかい。平滑筋肉腫の患者には子宮筋肉腫の患者が多く、それらは概して進行が遅い。原発の肺に着目して、肺がんとのアナロジーで考える事が必要になった。

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抗がん剤治療に入った患者の1年生存率は30%を切り、2年生存率は10%程度しか無い。進行の早い肺がんは実に厳しい。イレッサーという切り札の無い肺肉腫はもっと厳しい。

平滑筋肉腫の方のブログを多数読み、生存率は足かけ3年丸2年と踏んでいたが、修正せざるを得ない。
かといって今更手術という選択肢は危険だ。肉腫は手術しかといわれているが、切れば良いというものではない。多臓器を一挙に取り出した場合、予後が良くない事が多い。半年ぐらいで亡くなるケースをよく見る。
腎臓への転移はラジオ波か凍結療法、膵臓転移も場所によっては手術できるが、骨転移は消えない。なら抗がん剤による全身治療が理に叶っている。ただし、パゾパニプを始めるに際して主治医は「延命にはいります」と宣告した。発見されてまだ一年も経たっていないのに、もう治癒は無いのか。


1stラインに比べて2ndラインは利きが悪い。抗がん剤の選択は、その時の体調から慎重に検討しないといけないのは判っている。それでも家族に患者があれば必ず何か選択する。多分。著者のように、無治療も治療と悟ったような事が言えるのは他人だからだ。



がんは治療した方が早く死ぬ (2)

2013年09月13日 15:07

まず、「放置」と「治療」の比較データが乳がん以外に提供されていない。
数ある癌の中の一種類だけのデータで、総ての癌に結論を演繹して良いものか。


次に、新たなデータを集めるのは難しいので、著作中のデータから使えそうなのを探してみる。

1) 胃がんで手術した患者と、状態が悪くて手術できなかった患者の生存率の比較

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2) クレスチンという薬の薬効データだが、統計処理の問題点を著者が指摘したデータ。こちらは無視してレファランスの「標準治療群」のデータに着目する。

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1)のデータと2)の標準治療群(手術を含める)を比較すると、2年目で1)が70%を切っているのに対して、2)は70%を上回っている。更に4年目を過ぎると1)は60%を急激に下回っていくのに対して、2)は60%付近をキープしている。

このデータ比較からは胃がんは手術が有効ながんで、体力があれば手術を優先すべきだといえる。
更に5年以降のカーブがほぼ横ばいである事から、「治療して」5年生きられたらもっと長生きできる可能性の高いがんである。


更に①の検診有害論についても反論しておく

世界中で日本だけが行っていると著者が揶揄する会社の検診で、息子の肉腫は発見された。

無自覚だったが「がんもどき」ではなく、片肺全摘出の大手術で命を取りとめた。
その後今年の春、同じ病院にもう一人、肺肉腫の患者が入院した。
彼も息子と同年代だったが、更に進んでいて肺の血管を巻き込んでいた為手術不可だった。
パゾパニブを投与したが、発疹の副作用が出て中止になり、まもなく亡くなったという。
会社の検診が無かったら、同じような状態になるまで判らず、今頃生きてはいなかっただろう。




がんは治療した方が早く死ぬ (1)

2013年09月11日 15:57

近藤誠氏の著作、
「患者よ、がんと闘うな」「再発・転移の話をしよう」「あなたの癌は、がんもどき」を読んだ。
他にも数多くの著作があるが、大筋のところ次の2つの結論を布教するのが目的のようだ。

がんを早期がんと進行がんに分ける。
近藤氏のいう進行がんとは転移するがんだからステージⅣの末期がんで、それ以外は早期がんである。

①早期がんは原発以外に拡がらず、放っておいても命に別状無い。本物のがんではない「がんもどき」である。
 治療して却って命を縮めているケースが多々ある。
 検診で見つかるのは殆どが「がんもどき」だから、検診は廃止すべきである。
 

 根拠は、検診制度が普及して胃がんの発見数が増えても、死亡数は減らないという統計データ。
 胃がんだけでなく、乳がん、子宮がん、前立腺がんで同様のデータがある。
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②進行がんを治療しても無治療より寿命を延ばせない。
 治療せずに緩和ケアを受ける方が良い。

 根拠はハルステッド法という徹底的な乳房全摘出手術を受けなかった(放置した)患者と、
 抗がん剤を使用した乳がん患者の生存率に差が無かったというデータ。

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結局、早期がんも進行がんも治療すれば寿命を縮めるという事になる。

①はともかく、②は臓器転移が判った段階で、治癒する事は無い諦めて治療を中止せよというのだから、
肉腫も含め、がん患者やその家族にとってはショッキングな話である。
標準療法に固執し、少しでも転移があると手術してくれないがんセンターでも、抗がん剤はやってくれる。それさえ、意味が無いというのだ。


参考になる箇所が多々ある本だが、とても結論を鵜呑みにする事はできない。反論を試みる。