グールドのゴールドベルグ変奏曲

2010年01月05日 17:10

CDとSACDで全く印象が違った。

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1955年のモノラル旧録音を「RE-PERFORMANCE」と称して、ピアノロールのように自動ピアノで演奏させてマイク録音している。スタジオもグールドが録音に使っていたのと同じ部屋を使うという凝りようだ。


CDで聴いたときには、グールドの乾いたタッチがそのまま出ていると思った。ステレオになっているけれど、基本的にモノのソースで聴いた時と印象は変わらない。1回聴いただけでラックの肥やしになっていた。

ところがSACDで聴くと「これがグールドなのか」と思うほど変化した。
強弱の変化を少なくするのは、現代ピアノでバッハ時代の鍵盤楽器を模倣する為に、どの演奏家も取り入れている手法だが、グールドは作曲の時代に拘わらず敢えてこのスタイルを取る。ペダルを使わないのか音色も乾いている。表情も付けない。そっけない演奏なのだがテンポが微妙に呼吸する。この呼吸が魅力になっている。
グールドの特徴はこんな所だと思うのだが、SACDではタッチに芯があるし、音が良く響く。
呼吸するテンポは同じなので、グールドだと「感じる」事は出来るのだが、グールドではない。

リリースノートによると、グルードの録音からソフトウェアで音の高さや長さ、打鍵速度、キーリリース等を抽出してMIDIに置き換えたとある。このソフトが不完全でグールドの音楽を「抽出」し切れていないのか、それともMIDIの規格が「音楽」を100%再生し得ないのか、あるいは単にSACDとしての編集がまずかったのか、ひょっとしてこれがプロデューサーの意図なのか、判らない。

しかし、非常にノーマルな演奏に聞こえるこのSACDは、それ故にグールドファンには受け入れられなかったのではないだろうか。


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