ワンス・アポン・ア・タイム・イン東京 楡周平

2010年01月25日 11:57

宿命1969-2010の原作である。

上杉景勝の北村一輝が出ていたので1/15の第1回を観た。
70年安保の学生運動の中で結ばれた苦学生と女性闘士が、大物代議士と医療法人会長として、婚約する子供の親となって巡り会う。真野響子の息子を北村一輝が演じている。エリート官僚で政界進出を目論んでいるという設定だが、無口な景勝役の時と同じような印象を受ける。このカップルに小池栄子演ずる宣子が絡んで三角関係になっている。「華麗なる一族の再来」かという声もあるので、原作本を借りてみた。

上巻では彼らのリッチな生活ぶりから、東大安田講堂の籠城戦、2人が異父兄弟ではないかという疑惑、捨てられた宣子の復讐開始までが描かれている。こりゃ面白いぞと下巻に取りかかった。ストーリーの広がりを期待したが、復讐劇は中途半端に終わり、異父兄弟の結婚を阻止しようとする真野響子の工作もトリックに引っかかって功奏しない。尻すぼみで終わってしまう。

上巻で設定された舞台がちゃんと回っていれば華麗なる一族に近づけたかもしれないが、これでは比較するのが失礼だ。連載回数に制限があったのだろうか。

60年代を団塊の世代として生きてきた者から見ると、至る所に見えるミスが気になる。
「バイト3軒で6千円」はあり得ない。桁が違っている。
一方で有名幼稚園の年間費用が50万とか、熟代が1科目月4万円といっている。これは団塊ジュニアの教育費だ。第一当時、進学熟なんて果たして存在していたのか。
公立の保育園というものも、真一郎の世代には殆ど無かった筈だ。今と違って、幼稚園や保育園へ行かずに小学校へ上がる子が多かった。

文献と自身の経験がごっちゃになっている。その割には籠城戦の状況は良く書けていると思う。文献が良かったのか。安田講堂ほどではないが、私の大学でも時計台での機動隊との乱闘はあった。投石、放水、催涙ガスは日常茶飯事の時代だった。

連載は2004年だが、「無責任な理想論を掲げる野党に政権政党を取られてしまうくらいなら、泥水を飲んで、一切何も言わずにこのまま政界を去る」というくだりは現在に通ずる所がある。自民党総裁の誰かにこれだけの覚悟があれば、北村一輝演ずる挫折を知らぬ坊ちゃんエリートを地でいくような首相を戴くような事にはならなかっただろう。


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