海堂尊

2010年06月18日 17:09

「チームバチスタの栄光」
「ナイチンゲールの沈黙」
「螺鈿迷宮」
「ジェネラル・ルージュの凱旋」
を立て続けに読んでから、暫く時間が経つ。

ディック・フランシスが登場した頃、「リーディング・ジョッキーに、どうしてこんなに面白いミステリーが書けるのか」と言われていた。その後、作家としての地位を確立すると「リーディング・ジョッキーだった、ミステリ作家」に変わった。海堂尊に関しても「医者に、どうしてこんなに面白いミステリーを書けるのか」といつも驚かされる。ディック・フランシスの描く世界がどこかで必ず競馬に関係していたように、海堂尊も医療の世界の描き続けるという共通点もある。一般人には垣間見ることの出来ない裏側を知悉しているという利点がある。

「ブラックペアン1988」
「ジーン・ワルツ」
「ひかりの剣」を読んだ。
連載・書き下ろしの違いはあるが、講談社、新潮社、文藝春秋と読み物出版の御三家を総なめにしている。「医者がミステリを書いている」のではなくて、「ミステリ作家が医者もやっている」段階に差し掛かっているのではないだろうか。


「ブラックペアン1988」1988年に戻って、高階院長の講師時代を描く。藤原婦長、猫田師長、花房師長、黒崎教授(この時は助教授)が登場する。田口、速水、島津トリオも研修医として顔を出す。いつもはグッチーを事件の渦中に引きずり込む大ダヌキが、新医療技術の確立に奔走する新進気鋭の医師として活躍する。

「ジーン・ワルツ」不妊治療に絡めて、現在の産婦人科医不足の問題を取り上げる。

「ひかりの剣」も1988年時点で書かれているが、地の作品とちょっと毛色が違う。ジェネラル・ルージュの速水が主人公の1人で高階講師が登場するが、いつまで経っても医療問題は出てこない。ミステリとしてのラストのドンデン返しもない。学生剣道をテーマにしたスポコン漫画の原作を読んでいるような感じがする。

とはいうものの、3作とも3様に面白く、宮部みゆきの新作を脇に追いやり、3冊一気に読了した。


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