生ける屍~介護最終段階

2010年09月21日 16:37

ある日の出来事。
前夜、何故か興奮していて眠らなかったようだ。

多弁になり、ベッドから起き上がろうとする。
そのままでは起き上がることが出来ないので、裾の方へ身体をずらせていって尻から床に着地しようとする。

トイレ行くというので、車椅子に乗せて運ぶ。いつもの事で出ることは無い。
ベッドへ戻す時に立ち上がらせたら、車椅子でおしっこをしていた。いつもと違う。

リハビリの人が来てくれるが、その指示が聞こえないかのように全く無視する。

食事をさせても、食べ物を吐き出してしまう。

「電車に間に合わない」とか、「駅までどれくらかかるのか」とか言うのはまだマシな方で、
「水が流れてくる」
「畳の上に何か生えている」とあらぬ事を口走る。

風呂に入れると、湯船でウンチをするし、
上がって服を着せている最中に、オシッコの噴水を吹き上げる。
1人で介護していたら、事間違いなくキレテしまう。



軽い眠剤を飲ませて、一晩眠らせる。
翌日は落ち着いたが、相変わらず「家に帰る」とおかしな事を言う。
私の事も「君は誰や」と判らない。


痴呆には徐々にやってくるのと、今回のように急にやってくるのがあるようだ。
悪くなっては少し戻るが、元には戻らない。
こうして段々と、しかし回復する事無く人格が失われていく。

人間を肉体と精神に分けるとしたら、痴呆は精神的な死だろう。
肉体は生きているが、その人がその人でなくなる。
形はあっても中は虚。


介護は最後の最も辛い段階に入って来た。


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