宮部みゆき「小暮写真館」

2011年02月18日 15:20

昨年6月に予約してやっと順番が回ってきた。

登録している図書館の本だったので、私が最後で「予約なし」かなと思ったら

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所蔵件数も88冊と非常に多いのに、まだ1000件以上の予約がある。

長編に近い中編4作の連作で700ページの大部だ。
シャッター街の元写真館に移り住んだ一家の長男、高校生の英一を中心に宮部ワールドが展開されていく。登校拒否児や飛び込み自殺願望者が出てくるが、前作「英雄の書」のような暗いテーマでなくて、安心して読み進んでいける。小暮写真館の幽霊は、音楽で言う通湊低音のような存在で、連作を繋いでいく。
昔なら文庫本350ページくらいで出版されていたような内容だが、一年半かけて思う存分書いたので、700ページの大作になってしまったという処だ。宮部ファンでない人はもう少しスピーディに話を展開してほしいと感じるかもしれない。反対にファンはそれだけ長く「ワールド」に居られるので大歓迎。評価が分かれている。
これまで直木賞、日本推理作家協会賞、日本SF大賞、その他吉川英治新人賞・文学賞、山本周五郎賞と芥川賞以外(片方受賞すればもう一方は受賞できない不文律がある)、広い分野の主要文学賞を総なめにしてきた大作家である。我々凡人が文句を垂れるのは畏れ多い事であって、出来上がった作品を押し頂いて読ませて頂くしかないだろう。
個人的には「心とろかすような マサの事件簿」の続編を書いて頂けたらと思っている。まあ無理だろうが。

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4本目のタイトルが「鉄路の春」で、本のカバーが小湊鉄道、後書きにテツらしき事が書かれている。大いに期待したが、これだけは宛てが外れた。

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コメント

  1. 藍色 | URL | -

    Re: 宮部みゆき「小暮写真館」

    こんにちは。同じ本の感想記事を
    トラックバックさせていただきました。
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「小暮写眞館」宮部みゆき

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