谷村志穂「黒髪」

2011年04月04日 15:51

一言で言えば、おばあちゃんと呼ばれるようになって、自分の生母を探し求めるお話。
つい先頃までNHKの「新日曜名作座」で放送していた。


函館で、高田さわが、ロシア人の商人の家へ奉公に上がりやがて彼の子供を産む。革命により成立したソ連からすれば彼は亡命者であり、日本からすると敵国人になる。さわは身籠もるが、生まれてくるのは男子でりえ(おばあちゃん)ではない。この「過去」の話と、2005年~2006年の「現在」が交錯しながら、自分の生みの母を捜し求める過程が、ミステリーの謎解きのように進められる。

恋愛小説ともミステリーともつかない、こういう小説はどんな風に分類されるべきか悩む。
私はミステリーとして楽しませてもらった。

著者谷村志穂さんの本は初めてだ。1962年生まれ、道産子という事だ。
「だがこの年になると、人生はそんな風に予期せぬことの連続なのだとことも、もう骨身に染みて知っている。」
なかなか、含蓄のあるお言葉だ。
「世間では誰もが、自分は両親の本当の子供ではないのではないかとい疑うものだとい言う。橋の下で拾った子供なんだと親はからかう。」
北海道は親も子もカラッとしているらしい。

こういう筆致で他の作品も書いておられるのか。読んでみたいが、著書リストを見ると恋愛小説らしきタイトルが並んでいて退いてしまう。


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