「ジャーロ」というミステリー誌

2012年06月24日 14:04

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「EQ」という隔月刊の翻訳ミステリー誌の後を受け、2000年冬号から季刊として光分社から発刊された。

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翻訳ミステリー誌の歴史は古く、早川書房が1956年に月刊誌「エラリークィーンズ・ミステリマガジン」を発刊した。誌名から判るように米国の同名誌と特約を結んで、その翻訳作品を独占的に掲載していた。

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英国のヒッチコックマガジンと契約していた「マンハント」という雑誌もあった。



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しかし1966年に「ミステリマガジン」に改正し、1977年には本家「エラリークィーンズ・ミステリマガジン」との特約も解消してしまった。現在は「ハヤカワ・ミステリマガジン」になっている。
この切れた特約を光文社が取って、前記の「EQ」を創刊した。早川書房の轍を踏むまいとしてか、当初から翻訳ものと日本人作家の2本立てだった。
しかし当初から隔月刊だった事もあり、特約料が重荷であり、季刊誌へと縮小したのがジャーロだった。
21号の2005年秋号からは更に縮小されて、日本人作家だけのミステリ誌に変わった。

私もミステリーには翻訳物から入ったが、だんだんと邦人作品のほうがしっくり来るようになり、この変化は望む所であった。
しかし昨今の掲載作品の対象年齢低下について行けず、とうとう36号で定期購読を打ち切った。


柴田よしき、若竹七海、歌野晶午、近藤史恵等の作品には、この雑誌が無かったら出会っていなかっただろう。また「EQ」から継続して連載されていた高橋克彦の「新フェイク」が、いつの間にか途切れてしまったのは残念である。作家の創作意欲が無くなってしまったのなら仕方ないが。

図書館に40号以降が蔵書されている事を知り、借りてみた。
年3冊体勢へと更に縮小され、風前の灯火状態になっている。
薄っぺらになったジャーロの中で、門井慶喜の「小説あります」と道尾秀介の「光」の2作は最早ミステリではなく優れた長編小説だった。


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