100W級送信管ユニバーサル・アンプ「不死鳥」復活

2012年07月29日 10:05

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ハンドレッドワッターといわれる送信菅がある。プレート損失が100W以上の球で、径も高さも通常のGT管の倍は優にある。フィラメントも10Vで30W以上と並外れている。


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こんなモノを作って、鳴らしていた事もある。
両端にヒータートランスを持ち、ヒートシンクにLM338Tを付けて10V/3.25Aを定電流でソケットに供給する。プレート電圧やグリッド電圧はオクタルのプラグをアンプの出力管ソケットに接続して得る。
それでも、本来の1000V付近での動作とは程遠い条件である。


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とうとうハンドレッドワッター用のユニバーサルアンプを作ってしまった。

OPTにはタムラより大電流(160mA)が流せる橋本トランスH-30-5Sを使用。
PTは市販で(在庫品)最大級のノグチトランスPMC500M。400V巻線からDC500mA取り出せる。
NEW BIG ONE同様インターステージトランスにソフトンのRC20、
平滑用チョークトランスとシャーシ上にはトランスがびっしり並んだ。


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更にシャーシ内にも2.5V/6Aが2個
鉄の塊になり、重量は「NEW BIG ONE」の27.3kgから31.4kgになった。


回路図はHPを参照してもらうとして、、プレート電圧は倍電圧整流の選択だけで、430Vと860Vが選べる。
問題があったのは又してもフィラメント電源だった。NEW BIG ONEでの経験からLM338にパスコンを付けておいたのだが、それでも発振する。製作時には問題なかったのに何故今になってと思うが、事実起きているのだから対処法を考えるのが先。

パスコンのアース先をいろいろ変えて試してみたが効果がない。試行錯誤する内に思い当たったのはヒーター巻き線の容量不足。AC6.3V/4Aのヒーター巻き線をシリーズにし、10V/3.25Aを取り出している。ブリッジ整流で交流から直流を取り出すには1.8倍の電流が必要になる。AC4Aの巻き線からDC3.25Aを取り出しているから46%のオーバーで、定格の電圧を保てない。巻き線の銅損による電圧降下がLM338の動作を不安定にしていると考えた。巻き線の容量が不足する時には、抵抗を加えるという対処法がある。


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手持ちの0.33Ω/10Wのセメント抵抗を2つの巻き線の間に入れたら発振が止まった。
デュレーションは50%を超えるので可成り熱くなる。0.22Ωでは発振が止まらないので抵抗値を下げる事はできない。早い内に0.68Ω/10Wのパラに交換しなくては。

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上の4本が純然たるハンドレッドワッターだが、10V/2Aの830Bはこのアンプでしか使えない。SVETLANA572-30は1000Vまで使え、プレート損失も100Wなので付け加えた。また前出の808や826もこのアンプで高圧作動を試すことができる。

ここで又トラブル発生。6.3VのSV572は6.3Vx2ではLM338の熱負荷が大きすぎるので、別途シャーシ内の2.5V/6Aと6.3Vの組み合わせで使う。これがまた発振してしまった。10V3.25Aでの発振の際、この組み合わせでは発振しなかった(但し8.3Vまでしか上がらなかった)のに。それでここにも0.33Ωが入るように配線を変更したら、今度は5.3Vまでしか上がらなくなった。
6.3Vを2巻線パラにして使えば抵抗を挟む事もなく6.3V/4Aを取り出せるが、配線変更だけで対処できない。とりあえずSV572はこのアンプで使用不可とした。


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NEW BIG ONEとは明らかに音の出方が違う。音の輪郭がハッキリしているのは同じだが、低域は低い方に伸び、雄大で浪々と鳴り響く。プレート損失の大きさが効いているのかもしれないが、音色的にはOPTトランスの違いも寄与しているだろう。橋本トランスはサンスイが真空管アンプを止める時に技術を継承(元々OEMだっだろう)して、トランスを作り続けている。サンスイにAU111という真空管アンプがあった。当時は球から石への過渡期で、端から球アンプの購入は考えていなかったが、重くて堂々とした鳴りっぷりが印象に残っている。

4種類のハンドレッドワッターの中では、838の音が上記に加えて端正さを併せ持ち最も好ましかった。211(GE製)は高域にヒステリックなところがある。反対に845は中国製の球に共通の柔らかさを持つが、高域の質感を求める人には向かないだろう。


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