「男はつらいよ」~偉大なるマンネリ

2013年06月20日 12:44

「男はつらいよ」シリーズ全48作を観てしまった。
録画する時には、とても全部観る事はあるまいと思っていた。


「とらや」(後に「くるまや」)の人たちがトラさんの噂をしていると、寅次郎がひょっこり帰ってくる。
しばらくは邂逅の喜びが続くが、ある一言にトラさんが怒り出す。
その理屈は実に身勝手なもので、屈折したトラさんの面を露呈する。
トラさんはその勢いで、飛び出してしまう。
しかし「とらや」の人々は根っからの善人で、トラさんの身を案じる。
トラさんは身内には我が儘だが、他人には非常に優しい。善人に早変わりする。
特に女性に献身的でさえある。
関西風に言えば「エエかっこし」なのである。
そしてその女性に恋をする。
しかしその女性には既に相手がいたり、また偶に好意を寄せられると逃げ出してしまう。

いずれにせよ別れが来てジエンドなのだが、その前に
お盆に公開の場合は入道雲が、正月公開作品の場合には凧が出てきて、
再度放浪に出たトラさんの稼業(叩き売り)の様子が描かれる。
「ヤケのヤンパチ日焼けのナスビ、色は黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ」

全作このパターンで制作されている。
それでも人気があるから1969年から1995年まで48作品も作り続けられた。
吉永小百合を初め、人気女優がとっかえひっかえ出演した事もあるだろう。
当時の美しい日本の景色が挿入されているのも魅力だが、
原作の山田洋次監督か創った、単純そうで複雑なトラさんのキャラクターが、
単純なストーリーの繰り返しを感じさせない、膨らみのある喜劇にさせていると思う。



渥美清さんは元々結核で片肺を無くし、肝臓癌を患って最期は転移性肺癌で亡くなっている。
60歳を超えた1990年代の作品では声に張りが無く、しんどそうな場面もある。
衣装もそれまではダボシャツに背広だったのが、マフラーをするようになった。
それでも最後の48作を見終わった後で、また次が観たくなるシリーズだった。




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