第8回 サルコーマセミナー イン 大阪・中之島センター 2013 その1

2013年11月18日 11:29

肉腫のUP TO DATEな研究成果に一般人が触れられる唯一の機会なので、
11/15(金)~11/16(土)の一日半に行われたセミナーにカミさんと一緒に参加した。

昨年に引き続き、中之島の大阪大学中之島センターの10階、佐治敬三メモリアルホールで開催された。
会場の席は最後列まで埋まり、患者の関心の大きさを覗わせる。

なお、この記事は私にとって興味がある内容に偏って書いています。

基調講演 大阪府立成人病センター 病態生理学部長 内科 高橋克仁

肉腫医療の2つの課題=治療体制と臨床学的課題

P1000236bs.jpg
・10年前、この二つのケースでの連携治療にキユアサルコーマボードの原型がある。
・肉腫の半分以上は体幹部に発生するのに、専門医は小児科と四肢を診る整形外科にしかいなかった。
・2007年 白川郷での第1回サルコークセミナーをきっかけに、キユアサルコーマボードの連携医療は始まった。

P1000245s.jpg
・肉腫は患者数が少なく全身に発生する為、5大癌のような臓器別専門医体制はなじまない。集約化が必要。
・2011~2012の2年間で、14の施設からなるキユアサルコーマボードで、234例の手術、122例の局所制御、94例の薬物治療を行った。


P1000268s.jpg
・がんは治療期間中に上皮間葉系転換(幹細胞化?)を起こし、この期間は薬物や放射線抵抗性を示す肉腫の性質を持つ。


P1000270bs.jpg
・国際的にも類を見ない共同治療連携により、生存期間の延長、臨床学的基礎研究が進む。
・がん克服には肉腫研究が不可欠


ランチ・オン・セミナー

「肉腫放射線治療の最前線~粒子線治療」
 兵庫県立粒子線医療センター 医療部長 出水祐介

・生物学的効果比(RBE)からすると陽子線はX線の1.1倍、炭素線は3倍の強度を持つが、
 実際にはそれぞれ0.9倍、1/3倍にうすめて照射する。
・千葉の放医研の圧倒的多数の論文により、肉腫には炭素線しか効かないと思われているが、
 効果有害事象いずれにおいても炭素線・陽子線で差は無かった。
・九州国際重粒子線がん治療センターと南東北病院の陽子線が稼働開始。
 将来的にはサイバーナイフと置き換わる事を希望している。


放射線医でかつ肉腫を扱うという先生にはそうそうお目にかかれないので、以前から疑問に思っていた事を質問した。

Q)肉腫には通じ用の放射線は効かないはずだが、骨転移の痛み緩和には使われて、それなりの効果がある。何故か。
A)放射線による緩和のメカニズムはよく判っていないが、神経を抑える、腫れを抑える等の効果が考えられ、肉腫にも効果がある。



「加速器BNCT時代を見据えての基礎・臨床研究の展開」
 京都大学原子炉実験センター 教授 鈴木実

P1000282s.jpg
・ホウ素中性子捕獲療法では、予め癌組織にホウ素化合物を集積させておき、弱い中性子を照射する事によりα線を発生させる。
 このα線は10nmしか移動しないので正常細胞には影響が少なく、がんを細胞単位で非侵襲的に死滅させる。
・中性子は水素原子核によって散乱させられるので、体深部に届かない。すい臓癌などの深い部位のがんは苦手。
・現在は熊取町の京大実験炉で研究が行われているが、今後加速器へ線源が変わっていく。

P1000294s.jpg



ランチョンセミナーなので食事中も講演が続き、10分の休憩の後、午後の部が始まる。聴く方もなかなかハードだ。

キュアサルコーマボード共同治療連携の発表

「肉腫外科治療の進歩」
 公益財団法人結核予防会新山手病院 消化器外科 波多江亮

キュアサルコーマボードの中で外科的治療の中核となっている病院では、どんな手術が行われているのか。
一通り概要説明の後、症例紹介があった。

P1000331s.jpg
腫瘍が血管に癒着していても、浸潤していなければ血管の側壁ごと取れるのか。
下大静脈って、太さはどれくらいあるのだろうか。


P1000335s.jpg
血栓を人工血管でバイパス。太い血管をバイパスするのかと思っていたら、枝管同士でパイパスするのか。
この手術をして貰えていたら、ウチの親父も、もう少し長生きさせてやれたかもしれない。
門前払いを食わせた、循環器内科の医者の事を思い出す。


P1000346s_20131117100635948.jpg
更に血栓が大きい場合、人工血管で無く自然に細い血管が繋がる事によってバイパスさせるのか。

・大静脈と雖も血管なので、太さはミリ単位。それを自在に切ったり繋いだりするとは。この先生はゴッドハンドなのか。










関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://fugaku2.blog74.fc2.com/tb.php/1900-8d239682
    この記事へのトラックバック