緩和ケア病棟入退院記

2014年06月19日 10:42

6/4(水)
朝から腹痛が続く。我慢しきれず一昨日初診を受けたばかりの緩和ケアの先生に緊急入院する事を告げ、救急車で移送してもらう。CTで腸閉塞はないと判明。空きがあった内科の個室に入るが、主治医は緩和ケアの先生なので緩和ケア科に入院したのと同じ事になった。
オピオイドと吐き気止めを定量ポンプで1ml/hrで皮下注射。痛みが収まらなければ、ワンショットで1mlが送られる。
食事はメイバランスが一回に2個。全部飲めば1日1200kcal入るが計算だが、1個が精一杯。
腹の出っ張りが急に大きくなった。

6/5(木)
腹の痛みは収まったが、足の痛みは軽くならない。
昨夜は1時間おきのレスキューを何度もコールしたという
ヘモグロビンが低下しているので、赤血球の製剤を400mlいれた。
先生からは、固形物も摂るようにとの指示。
今日も足の痛みは収まらず、家でオキシコンチン錠、フェントスパッチ、アンペック座薬をフルに使っていた時のほうがましという。注射薬を合成麻薬からモネヒネ塩酸塩に変更する。
300mg/dayを定量シリンジで1ml/hrの量を入れている。

こちらでは足の痛みは骨盤内の腫瘍が神経を圧迫しているとの見解だ。
それならL2に放射線を当てても効かないはずだ。(L2は大腿神経の一部と外側大腿神経がでている。また座骨神経は腸骨の裏側を通っている)L4とL2からでた大腿神経は外閉鎖筋と内閉鎖筋の間を通っている。そこは5/2のCTで転位が指摘されている。

ずっと点滴をしているので足がいよいよ浮腫んできた。
夜に息子からお菓子をリクエストするメールが届いた。

6/6(金)
今日は、楽になったらしい。10段階の6位。でも、ろれつがまわらなくて、行ってもうつらうつらしている。

腹痛は治って、固形物を食べられるようになった。栄養状態が悪いので点滴も併用している。
身体が怠いと言ってるが、麻薬の他に吐き気度目の精神安定剤も入れてる所為だと思う。
これから徐々に注射を飲み薬に変えていく方針らしい。

もう褥瘡が出来ている。栄養状態が悪いのだろう。エアマットを頼んだのに、予防用のクッションしか持ってこない。


6/7(土)
褥瘡が更に増えた。エアマットの予備がなく、順番待ちだという。待ってられないので、介護用ベッドをレンタルしている業者に追加で入れてもらうように頼んだ。土曜日も営業してくれていて助かった。

痛みは少し楽になり我慢出きる範囲になったが、ダルくてしんどいという。楽な時間が全くないと。麻薬の所為だと思いたいが、腫瘍がどんどん増殖している為だとも考えられる。後者だと痛みはとれても楽にはならない。家に帰りたいと言うが、帰っても眠っているだけになる。

6/8(日)
洗髪してもらう。頭をベッドから伸ばすのは痛いので、紙オムツで水を吸収しながらシャンプーする。更に身体を拭いてもらうが、もうシンドクて休憩。少し濡れたシーツを交換して貰うのにまた休憩。全く体力がない。


6/9 (月)
モルヒネ塩酸塩を300mgから200mgに減らし、オキシコンチン120mgが新たに加わった。医者が来て、明日緩和ケア病棟へ移る事と、麻薬の点滴が無くならないと家に帰れないという。午後やっとエアマット到着。

6/10(火)
午後、12階の緩和ケア病棟に移動。
階は高くなったが、病院の裏側の部屋なので、ドーム球場しか見えない。
動かすと痛いが、じっとしていると痛みを感じないという。その代わり傾眠が酷い。
行っても殆どの時間、口を開けて眠っている。今、怠さが一番辛いという。

部屋の構造は他の科と全く同じで、患者が家族と一緒に過ごし易くするという特段の配慮は見られない。緩和ケア病棟とホスピスは一致しないらしい。
この階には、普通のデイルームの他に緩和ケア専用のデイルームがある。その正面に「仏光殿」のパンフレットが置いてあった。置く方も置く方だが、置かせる方の神経を疑う。


6/11(水)
今日はカミさんだけ行った。
モルヒネ塩酸塩を200mgから更に100mgに落とし、オキシコンチンを240mg/dayという処方になった。
オキシコンチンが効いてないようで、痛みがぶり返してきてトイレにも行けなくなった。
午後200mgに戻したら、痛みが引いたようだ。熱が出てきている。38.1℃だった。
これでは帰れない。

6/12(木)
主治医から話がありますと、告げられた。いい話ではない。

黄疸を示すビリルビンが6.3になっている。怠さはその為だった。胆管が腫瘍に圧迫されて閉塞しているという。CRPも20近くあり、何処かで出血している。週単位で見なければいけない。7月は難しいと。

それでも家へ帰りたいなら、近所で往診に来てくれる医者が見つかる事と注射で入れているモルヒネが飲み薬で置き換えられる事という2つのハードルを乗り越えなければならない。

飲み薬もモルヒネになった。

次男が金・土でカミサンと孫を連れて来る事になった。先月ゴールデンウィークの時に来ているので早いけれど、本人も自分の事を理解していると思う。

6/13(金)
朝、病院から電話があり今日も主治医から話があるとの事だった。
私は次男達を連れて行くので、カミサンだけ先に行かせた。

午後2時頃電話があり、昨日の2つのハードルは、病院のと同じタイプの注射器を用意出来るクリニックがあって一挙に自宅で緩和ケアを続けられる事になった。

6/14(土)
息子の腹が更に膨れてきた。顔が黄疸で黄色くなってきた。

もう身体を起こして食事するのはしんどいので、メイバランスのような寝たままで摂れる栄養ドリンクだけにしたいと言う。

午後5時に訪問看護に来てくれる医者と看護師が来てくれた。主治医は不在だが、話がついて明後日、月曜日の午後2時に退院と言うことになった。

寝台付き介護タクシーを予約し、エアマット回収の連絡を入れた。

午後4時頃に来たカミサンはもう少し居るという。帰宅して横になったら疲れが急に来た。11時から7時間病院に居た。椅子を並べて横になったりしていて、病院に居る間は辛くはなかったが、緊急がほぐれるとどっと疲れが押し寄せてくる。このままだと、こちらの方が先にダウンする。

6/15(日)
便がモルヒネの所為で硬くなって出ない。今日は3回も摘便してもらったという。
頬の肉が落ち込み、顔は黄色くなっている。それでも、明日は退院なのでシャンプーと清拭をして貰った。

6/16 (月)
ずっと剃ってなかった髭も剃り、摘便もしてもらって準備完了。
14時に予定通りストレッチャーのまま介護タクシーで帰宅した。
腹はパンパンに張り顔も白目も黄色くなったが、気分的に楽になのか録画してあったアニメを見ている。熱も平熱に戻っている。

息子の「家に帰りたい」コールが奏功して帰ってきた。
久しぶりに息子が部屋で寝ていると、こちらも何となくホッとする。


関連記事