楽には死ねない緩和ケア

2014年07月10日 10:11

癌患者が最期に行き着く緩和ケア、ホスピスというと、苦しみを取り除いて穏やかな最期を迎えさせてくれるという印象がある。しかし現実は、普通の画一的治療と全く変わらない物だった。

痛み関しては、それに合った麻薬を調整してくれる。10段階の0まで痛みを「緩和」するこもしてくれる。
しかし、それ以外の苦しみについては手の打ちようが無い。


痛みと同じ位につくらいのが怠さだった。痛みに比べれば怠いくらい我慢出来るだろうと思うかも知れないが、とんでない。
倦怠感というと、「夫婦の倦怠期」という言葉もあるように軽さを伴う。その表現は医者が意図して誤魔化しているようにさえ思える。正体は死んだ方がましという程の強烈な疲労感だった。

逃れるには、眠る事しかない。しかしモルヒネを増量しても、この段階では怠さが増すばかりで眠れない。
眠剤が切れて目が覚めると「地獄」が始まる。毎日「殺してくれ」 と嘆願する。


あとは麻酔薬で意識レベルを下げるセデーションしかない。
苦しみは感じないが、意思も奪ってしまう。精神面の安楽死だ。
緩和ケアでは、体力のある内にセデーションに移行する事を勧められる。


緩和ケア、ホスピスは決して楽して死ねる場所ではない。
「旨い話にはマユツバ」は、医療の世界でも通用する。



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