「あいつ」のネタ帳

2015年02月16日 09:30

「あいつ」のブログは、「オチのある日常話をご紹介していきたいと思います」と書いているように、
出来事や意見を記述するだけではなくて、笑えるオチのある小話のようになっている。
当初は、これをほぼ毎日書いていたのだから大変だったろう。
途切れないように、思いついたネタを後で使えるようにメモやメールの下書きで残していた。

これは、ブログとして日の目を見なかったネタである。
ブログに載せる時は、手を入れてもっと短くする積もりだったのだろうが、下書きをそのまま引用した。


日付は2007/12/18

『昨日、お酒を飲んでいた時、親父から電話が掛かってきまして。かなりアルコールが回っていたので、例によって例の如く何を喋ったかは覚えていないのですが。
 で、夜。トイレに行って寝なおそうとした時、急に思い出し笑いが始まってしまいまして。
 えー、あれは一年ほどまえの正月だったでしょうか。二階にあるシングルベッドを粗大ゴミに出すため、力仕事を頼まれました。
 まぁ実家にいるのは祖父と叔母、後は両親だけですから重いものの運び出しというのはなかなかできないんですな。
 家の形はロの字でして。真ん中は中庭となっております。まずはこの中庭に下ろそうということで、親父と私の二人でベッドを運んで行き、窓から半分ほど外に出しました。
 ベッドは階段のカーブを曲がりきれないので、こういう強引な作戦にでるしかなかったワケです。
 ベッドを窓枠の上に置いて安定させ、私が一人で支えている間に親父は中庭へと回りこみ、下で受ける準備をしました。
 ゆっくりゆっくりとベッドを外にずらして行き、窓枠の上を滑らせながら傾けていきました。私が支えなければならない重量がじょじょに増えていきます。シングルとはいえベッドなんて一人で持てませんから、全重量が掛かりきる前に親父に受け渡さなければなりません。
 腕の筋肉が悲鳴をあげる中、「もうちょいもうちょい」という親父の声を頼りに下ろしていき、
「よーっしゃオッケー」
 なんとか渡せました。
 私はさっきまで持っていたベッドの足を壁に掛けて手を離し、中庭へと向かいます。
 今度は二人でベッドの端を持って壁伝いにスライドさせていき、いけるところまで下ろします。多少キズが入ってもお構いなしでズリズリと。そして中庭に出るガラス戸にベッドが掛かりそうになったところでストップ。
 次はまた、壁につけていたほうの足の下に私が回りこみ、バンザイの姿勢で背伸びをしてなんとかキャッチ。そしてゆっくりと下ろそうとして――
 手がすっぽ抜けてしまいました。
 多分、予想よりも重量が掛かったためだと思われます。すでに乳酸のたまりまくっていた私の両腕は限界を向かえ、仕事を放棄。
 私は反射的に逃げました。
 ベッドが生み出すいやな風を受けながら後ろへと。
 私は無事でした。
 ベッドはそのまま自由落下し、中庭にあった大きな置石に腹を強打。
 っえー、この状況。ご想像つきますでしょうか。


 例えば、私が離してしまった側が力点だとしましょう。そうすると置石は支点になります。
 と、言うことは、親父が持っている側は、
 いやぁ、感動しました。
 人間って飛べるんですね。
 後ろにあった置石に背中を打ち付けて苦悶の声を上げる親父を見ながら私は、
 笑いをこらえるので必死でした。
 いや、分かってるんですよ。頭では。
 笑い所じゃないことくらい。
 でも体は正直です。
 だって飛んだんですよ? ベッドがシーソーみたいになってびょーんと。
 どこの三流コメディですかって感じに。
 ソレが現実に起こったとなれば笑うしかないでしょう。
 事実、そのことを話したら弟は大爆笑でした。
 そんなわけで突発的な思い出し笑いに現在頭を悩ませてます。』




「終の棲家」を造る時、不要な家具を整理していた時の話である。
前段落は事実のようだが、後段落はフィクションである。
だが、衝撃的な事実が····。

これまで、この「ベッドおろし」の作業は、既に80歳も後半になった父と運んだと思っていたのだが、
それはガラス戸付きの本箱で、ベッドは「あいつ」と運んだのだ。
けれども、あいつが一緒にやったと書いている作業のどんな片鱗も思い出す事ができない。
わずか7~8年前の事なのに、記憶から完全に脱落している。
単なるド忘れというやつか。それともボケが始まっているのか。

記憶のある内に書き留めておかなくてはと、この記事を書いた。







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