ロストチルドレン~Slaves of the Nightmare~  by飛乃剣弥

2016年08月22日 07:08



飛乃剣弥作品のご紹介です。
原稿用紙115枚の中編です。

この作品も、未完の魂、死の予定表同様、ライトノベル作法研究所に「高得点小説」として掲載されています。

「作者自身の小説紹介文」

○食って、寝て、女抱いて、薬をキメる。最高の人生だね。反吐が出るほどな。
○近未来SFを舞台としたかなりダークなお話です。ラストはバッドエンドっぽい……。まぁ個人的にはこういう終わり方も、有りかとは思ったりしますが。



lost-bO.jpg(2005.12)
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「どんなお話し?」

近未来のお話。
戦闘シーンの映像から始まる。姿は子供だが超能力を持った兵士、ロストチルドレン対政府軍の戦闘だった。
『ショットガンを携えた数名の兵士が、小柄で華奢な少女に向かって怒声を浴びせながら、戸惑うことなく引き金を引いた。
 全身にくまなく穴を開けられ、無数の小さな傷口から血を噴水のように吹き出して絶命したのは、兵士達の方だった。』

ユティスの父ジュレオンは、自らが創りだした人工生命体であるバイオドールを、ロストチルドレンに変える技術を研究している。
彼はバイオドールの発明を「悪魔の行為」として政府の研究機関から追われ、今は反政府テロ組織の為に働いている。
バイオドールはロストチルドレンに変わる時、記憶や感情といった人間性を失う。失う人間性が大きい程高い能力を得る。
優秀なロストチルドレンを創る研究は完成まで今一歩の状態だった。

両親は研究開発に忙しく、多感な時期にユティスと触れ合う時間が取れなかった。
13才の頃には母親を「アミーナ」と名前で呼ぶようになっていた。
アミーナは、それまでユティスに対しては放任主義だった夫が、最近ユティスと接触し始めているのに気がついた。
ユティスは荒れていた。麻薬を打ってもすぐに多幸感から引き戻される。変調は肉体にも及び始めていた・・・・・。

作者お得意の伏線とその回収、ラストのどんでん返しが楽しめます。



「感想」

冒頭のシーンからバイオレンス、バイオロボットものかと思ったが違った。
両親と子供の葛藤がテーマになっている

少年期に、忙しい両親から、かまってもらえなかった子供の気持ち。
心外に思った親の態度への反抗。
自分は本当の子供では無いのだと思う妄想。
これらをベースとして反抗期の子供の気持ち、つまり自分自身の心の葛藤の過程を描いている。
それは普遍的というか、多くの人が少年期に経験してきた事だった。

ロストチルドレンというタイトルには、作品に登場するバイオロポットを表すと同時に、
失われた親子のコミュニケーションという意味も含まれているのではないだろうか。



冒頭のロストチルドレン技術を説明するシーンが伏線となって、ラストに活かされている。

ラストで幼年期に戻るユスティスの一人称が、だんだんとひらなかに変わっていく。
これも精神だけが、楽しい記憶のある幼年期へと戻っていくのを描写したかったのではないか。




「続編」があります

3年後に続編を書いています。
これは原稿用紙115枚の中編ですが、続編は549枚の長編です。
lost2-bO.jpg(2008.12)
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ただ
○朝起きると父親は首だけになっていた。母親は腹の中の物全部ブチ撒けていた。俺が5歳の時だった。しょうがないさ。死んでしまったものは。世の中の殆どの事は、自分の力だけじゃどうにもならない。望んでも叶えられない。なら最初から諦めて、大きな流れに身を任せているのが一番楽だ。面倒な事をしなくて済む。考えずに、ただ言われた事に従っていればいい。上の奴等が裏で何を企んでいようと、俺には関係のないこと事だ……。

○もう二度と書かないと思っていた鬱ワールド。ようこそ狂ったサイバーパンクの世界へ。今回は政府組織の方に焦点を当てて書いてみました。ロスト・チルドレンに対抗するための特殊組織『オッドカード』のメンバーが主人公。前作と繋がっていますが、前作を読んでなくとも分かる構成にはなっているはずです、多分……(汗)。甘い恋愛、萌え要素、努力、友情、勝利などを期待される方はご遠慮下さい。そういった物は皆無です。

相当ダークな・・・・・、と思っているのは作者だけかもしれない・・・



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