投稿日:2007-09-19 Wed

「アリアCD」の店主松本さんが、HPで「超おすすめアイテム」として紹介しているので借りてみた。CD評を「実例」とすることで、美学者たる著者の「音楽論」を展開するのが趣旨らしいが、立派に「CD評」本になっている。
面白いのは第2章と第3章。「遅いテンポ」と「ティンパニの強打」の2フレーズだけで、CDを撫で切りにしている。
昔々モーツァルトで最に買ったLPが運悪くクレンペラー指揮だった。
「遅くて」かつイン・テンポでゴリゴリやられてはモーツァルトも堪ったものではない。
しばらくモーツァルトは敬遠した。クレンペーラーはベートーヴェンのミサソレを聴くまでは許さなかった。
クレンペラーのモーツァルトを褒める批評家は絶対に信用しない。
試しにクレンペラーのマーラーの第9を聴いてみた(買った記憶が無いのだが、棚にあった)。イン・テンポのマーラーは恐ろしい。グロテスクだ。
ティンパニで「切り分ける」のも面白い試みだと思う。
ピリオド奏法でオーケストラが小規模になる程、ティンパニは目立つ。
今では抵抗が無くなったが、ホグウッドの「合唱」を最初に聴いたときには「ティンパニ協奏曲に編曲」してあるのかと思った。
この視点で見れば、ヴァントもティンパニが無ければあの緊張感が損なわれる。また、敢えてヴァントからティンパニの強打をマイナスすればケーゲルになる。
本書ではカラヤンに「飼い殺」にされたベルリン・フィルのティンパニストが、テンシュテットの「神々の入場」で逆襲したとある。確かに凄まじい強打であるが、カラヤンもマーラーの6番では威勢よくティンパニを鳴らしている。
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