多島斗志之「黒百合」

2009年08月06日 17:10

「腰巻き」によれば、「文芸作品とミステリの融合」という事になっているらしい。

1952年の夏、六甲山の別荘地で出遭った少年2人と1人の少女の初恋の物語が瑞々しく描かれていく。それに彼等の父が戦前のベルリンで出遭った謎の女性、少女の複雑な家庭で起こった殺人事件が絡んで物語は展開していく。

『週刊文春 傑作ミステリーベスト10』の第8位に相応しく、楽しみながら読めるミステリだった。

しかし気になるというか、不自然な箇所が2点有る。

一つは「文芸」の部分で、この3人が14才にしては言動が幼い。中学生のものではなく、小学校の3、4年生のものにしか読めない。それに、中学生の夏休みの宿題に「日記」が出るのだろうか。

もうひとは「ミステリ」に属する部分なので、詳しく書くわけにはいかないけれど、妹の交際相手を射殺しようとする場面に、読後違和感を覚えた。殺してまで引き離すようなシチュエーションなのか。


根幹の部分でクレームをつけたけれど、作品を貶めようという意図はない。それどころか、この「系統」の作品を今後も書き継いで欲しいと思っている。




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